「STAGE」楽曲解説 作曲編

お世話になっております。坂口です。
「STAGE」楽曲解説、リファレンス編に引き続き、作曲編です。
リファレンス編との内容の重複が少しありますがご容赦ください。

 

チューニングはレギュラー、リズムギターのみ2カポ、ドラムは1タム1フロアです。

 

イントロ
まず強烈なイントロです。再生した瞬間に全てを破壊したいと思いまして…。何言ってんだこいつって感じですが作ってる時はそれぐらい熱くなってました…笑
例のごとくⅣ系の進行です。今まで作った曲であらゆるテンションノートを使い尽くしてしまったので、ここまで来たらもうテンション全部乗せにしようと思い、リズムギターはⅣのパワーコード+開放弦、その上でリードギターはⅤのコードを弾くという手段を取りました。
コード進行に関しては進行してる感(サブドミナントドミナント→トニックみたいなやつ)に意識が向くのが嫌だったのでベース音が半音下がるだけ(ディグリーネームで表すとⅣ→Ⅰ/Ⅲの繰り返し)にしてコード感にあまり変化が生まれないようにしてます。
そんな感じのコードワークとリファレンス編でも挙げたPattern Against Userみたいなドラムとノイジーなギタープレイを掛け合わせてこのイントロになりました。

 

A
イントロの進行を引き継ぎつつ一気に静かになります。こういう展開があると緊張感が出て引き付けられますね。ギター一本だけになるのは決別と孤独のメタファーです。嘘です。今思いつきで書きました。
その後ドラムと同時に歌が入ります。ここから徐々に熱が上がっていくようなイメージです。なんか変なベースも入りますね。

 

B
3拍子のパートです。
ここはワルツのイメージがあったんですが実際は全然そんな事無かったです。なんかガチャガチャうるさくて踊れませんね。
リズムギターは1〜3弦固定コードを、リードギターは4度堆積のアルペジオを弾いていて、コード進行は有りながらもコード感を曖昧にしています。
んで、その後また4拍子に戻る訳なんですが、その際にびっくり系ノイズを挟んでます。これはギターもベースもめちゃくちゃ歪ませた状態で開放弦をガーって鳴らした音です。うるさいですね。

 

2イントロ
繰り返しのため割愛します。

 

2A
ヒップホップを意識したドラムに乗せて隙間のあるアンサンブルを構築しました。作ってた時はスローテンポでタイトな16ビート=ヒップホップという雑な認識を持ってました。今聴くとむしろFUGAZIとかの方が近い気がしますね。何にせよ緊張感を出せたんじゃないかなと思います。

 

2B
繰り返しのため割愛します。

 

ブレイク
ベースだけになる部分です。
この後の展開に持って行く際に、流れを止めずに振れ幅の大きい静と動を表現したかったのでベースがルートを弾き続けるという形になりました。
ギターが掛け合いみたいになる所はイントロのフレーズをなぞってます。

 

サビ(?)
なんかギャーギャーうるさいところです。
演奏はイントロとほぼ変わりません。
歌については、当時は今の自分ができる一番極端な表現をしたいと思っていて、その結果叫ぶ事になりました。
初めてマイクに向かって怒鳴ったんですが、なんか恥ずかしかったです。
聞き返してるとなんかこいつ必死だな〜笑って気持ちになります。
でも当時の衝動とかエネルギーが凝縮されてて良かったんじゃないですかね。

 

アウトロ
進行はそのまま、リズムが変わります。
2Aの激しいバージョンみたいな構想で作ってました。キックの譜割とかベースのフレーズが所々共通してます。
こういう展開でハーフテンポになるのってカタルシスがありますよね。
でもノリをあんまり変えたくなかったのでシンバルを8分で刻むのは持続してます。
このガシャガシャ感がこの曲のキモでもありますしね。
ギターは熱くなって熱くなって熱くなってタガが外れちゃったみたいなイメージで弾いてます。
こういう演奏をする時でも計算してフレーズ(と言っても楽譜には起こせないようなものですが)を固めて録るところが良くも悪くも自分の個性かなと思います。

 

アウトロの後
僕はここを自由時間って呼んでます。
リファレンス編でも書きましたがcabsのライブで曲終わった後もドラムがドカドカ叩いてるのかっこいいな〜って思って真似しました。
他の楽器もドラムに合わせてるような合わせてないような感じでガーって弾いてて、滅茶苦茶な感じで終わりです。
ドラムが最後に叩いてるのはGRAPEVINE「ねずみ浄土」のフレーズつもりでしたが微妙に違いましたね。
ドラムだけ勝手に全然関係ない曲叩いたら面白くね?と思ってこの様になりました。
ライブ感というかそれぞれの演奏がぶつかり合ってる感じを出したかったんですが、いかがでしょうか。
…あ、ここまで書いたところで思い出したんですがアルバム版は音ぐちゃぐちゃにしてて訳分かんない感じにしてましたね。
完全に忘れてました。SoundCloud版の話をしちゃってました。
アルバム版はマスターにディレイかけて延々と轟音が鳴り続けるようにして、いきなり切って終わらせるようにしてます。
最後の最後でハッとさせるような仕掛けがあったらいいなと思ってこの終わり方にしました。
聴いた人にとって刺激になっていたら嬉しいです。

作曲編は以上です。
次は歌詞の解説になるかと思います。
以上です。ではまた。